[DCH]クラウス・マケラ/BPhデビュー公演
今週になってデジタル・コンサートホールに、現在ノリにノリまくっている若手指揮者、クラウス・マケラのベルリン・フィルデビュー公演の映像がアップされていました。
この機会なので、マケラとこの公演に対する私の見解を書いてみましょう。
まず私がクラウス・マケラを知ったのも確か2023年の頃です。このときパリ管弦楽団の来日公演があり、その時の指揮者が彼でした。
経歴はこちら↓
シカゴ交響楽団とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団という世界トップのオケを同時に率いることになり、英デッカ(クラシック音楽の老舗レーベル)とも専属契約を結ぶという、まさに現代クラシック界における飛ぶ鳥を落とす勢いの大スターなのです。
ただ、私は彼のファンではないし、彼の音楽を手放しに評価していません(2025年3月現在)
OdPの来日公演のときも、十八番のドビュッシーの「海」がなんとも気の抜けた演奏で「舐めてんのか」と感じてしまったのです。(メインの春の祭典の集中力は素晴らしかったのですが…ただ曲を成立させているだけという印象が強かったです)
ばかりか、業界は彼をスター扱いしようと必死になって売り出しているようにも見えるのです。事務所が強いことと、華はありますからね。そこそこの才能もお持ちです。
そんなマケラがベルリンにデビューした2023年春のプログラムノートがこちら↓
◯2023年4月22日、ベルリン、フィルハーモニーザール
・Dショスタコーヴィチ:交響曲第6番ロ短調Op54
休憩
・PIチャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op74『悲愴』
アーカイブで見つけたのが2025年3月26日だったので、2年近く前のライヴ記録ということになります。私はDCHの年間契約はしておらず、気になる公演が出てきたときのみ契約しているのですが…見落としていたのか?
念の為、ブログ更新日の公式アプリの新規投稿欄の画像が↓

私が見落としていたわけではなく、どうも2年間放置されていたっぽい…
ベルリン・フィル、怖っっっ!
トレイラーだけ聴きましたが、そこに写っていたのはいつもの「クラウス・マケラ」でした。キビキビと指揮台で華やかにタクトを振り、出てくる音楽は非常に華やかで楽天的な音楽。
クラシック音楽の演奏とは「曲の真髄に迫る」芸術性が見えなくては評価されない世界…のはずでしたが、どうも彼と彼の周りの人間はそう考えていないように見受けられます。
ショスタコーヴィチの音楽に迫るには「血も凍るような冷たい感情」が必要ですし、チャイコフスキーの悲愴は「人生のどうしようもなく美しい絶望」が必要です。
この2つを感じることは残念ながら出来ませんでした。全編を通して聴けばまた印象も変わるかも知れませんが…
若い世代のお客さんが減っているクラシック音楽界の活性化。これは業界のミッションです。
それを何とかするためのCSOとRCOの選択は間違っていないと思いますが…代わりにマケラ自身がスコアと対峙する時間・芸術と精神を深く理解していくことを犠牲にしなければよいのですが。
RCOは歴史的に「若い常任指揮者を迎えて、抑えに古くからの名匠がサポートする」体制を作ってきました(ベルナルト・ハイティンクが30代で就任したとき、サポートにオイゲン・ヨッフムがいた)ので、マケラのバックにも誰かが付いてくれることを期待したいが…無理かな。
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